現金強奪できるかな

駅の改札あたりで待ち合わせをしていた時のこと。

たぶんATMの現金輸送だと思うけど警備員が二人、現金が入っていると思しきコンテナを台車に乗っけて改札横の出口の所から出てきた。キオスクのおばちゃんと顔なじみなのか親しそうに挨拶しながら、人ごみの中を突っ切って運んでいった。

現金輸送というのはもっと辺りを気にしながら、殺伐とした感じで運んでいる印象があったので意外に思う。過去にハンドキャリーでジュラルミンのケースを運んでいるのを見た時にはもっと警戒していたような気がする。この時に見たのはキオスクの人と和やかに挨拶するぐらい気楽で、緊張感がまったく感じられなかった。

もし自分がその現金を強奪する立場になった場合、どういう方法を取れるだろうか?

まずはお札の重さ。中身がお札だとすると 重さは約1枚が1g とのことなので、仮に中身が5000万円位だったとしても約5kg。簡単に運べる。ただ問題はケースの方で、60cmぐらいの鉄だかジュラルミンだかのコンテナを2つ運んでいた。見た感じただの立方体の鉄の箱で、取っ手も何も無さそう。かなり重そうで、手で運んでいくのは難しそう。

 また人ごみの中を突っ切っていってるので、強奪したとしても目撃者が多数いるので、警備員を倒して持っていくのも厳しいと思う。

となるとたくさんの人数を集めて囲んで持っていくという方法があるかもしれない。ただ中身を山分けするのは論外とすると、一人のギャラが10万円だとして30人で300万円。コストが結構掛かる上に全員が信頼出来るとは限らないのでリスクが大きすぎる。

すぐ近くで何か騒ぎを起こして、そのあたりに居る人の注意を全部そっちに向けている間に何とかするという方法ならいけるかもしれないけど、全員の注意を向けられるような方法は難しいかもしれない。

と考えると、輸送車に現金を運び込むタイミングが良さそう。一番楽なのは車ごと強奪することだと思う。ただ輸送するところを見たことが無いのでわからないけど、ハイセキュリティ現金輸送車 の説明を見る限り、それはかなり難しそう。

となると唯一のチャンスは現金の積み下ろし。実際に強奪されているケースを見ても、国内外に関わらず積み下ろしの最中にやられていることが一番多いみたい。

結局セキュリティという観点で考えると、ハードウェアの世界もソフトウェアでの状況とそう大差ない。 ハードウェアの欠陥や、暗号化アルゴリズムやアプリケーション自体の欠陥を探して破るのは難しいし、それが問題となってセキュリティを破られたケースはそう多くない。だから巨大なケースや立派な現金輸送車といったハードウェアが、特定の機能の有無とかで選定される・されないが決まるということは少ないと思う。

重要なのは運用方法。結局は運用が駄目だとそこでセキュリティを破られてしまう。今後はスペック競争ではなく、運用の駄目なところをカバーしてくれるハードウェアなりソフトウェアなりが重要となってくるのではないだろうか。

ただ、運用をカバーしてくれる物って何らかの制約事項やオペレーションが増えるので、運用が面倒くさくなってしまう。その面倒くささを嫌って、現場ではその機能を無効にしていて問題が発生した時に初めて発覚した、なんて話は良く聞く。そのあたりのバランスを取るのはなかなか難しい。