SmartNews 問題は「気に入らない」という感情の問題ではないか?

ソーシャルニュースリーダの SmartNews のスマートモードがいま話題になっている。これはTwitterで言及されたURLを集約して、それをニュースコンテンツのように配信するアプリだ。オフラインでも読めるよう、アプリ起動時にコンテンツをダウンロードする機能があり、スマートモードではあらかじめダウンロードしたコンテンツを表示することができる。

この機能にまつわる議論は ニュースアプリリーダー「SmartNews」をめぐる議論 にまとまっているが、要するにダウンロードされるコンテンツに対して、サーバ側で広告除去やページ分割無視などの加工を行なっていることが、完全タダ乗り、フリーライドと批判されている。

これを受けて、開発元の株式会社ゴクロは、SmartNewsに関心をおもちいただいているみなさまへ で、その見解をプレスリリースしている。

メディアの視点から考えてみる。媒体にとって最も重要な媒体力、つまり広告主に対してアピールできる最もわかりやすい指標はPVやUB、あるいは広告の表示・クリック数である。しかし SmartNews のようにキャッシュされたコンテンツを参照されてしまうと、どちらも増えない。せっかくコンテンツをページ分割してPV稼ぎをしているのに、それが台無しになってしまう。

サイト上で RSS を提供しているため、RSS リーダで読むことと一緒だと考えることもできるが、RSS に出力するコンテンツはメディア側でコントロールすることが出来る。本文の一部だけに限定することも出来るし、また広告を差し込むことも自由にできる。SmartNews のようにコンテンツを持っていかれてしまい、その出力形式を自由にコントロールされてしまうのは、彼らにとって望ましくないと言える。

一方、SmartNews を使ってコンテンツを読む人間、つまりユーザの立場で考えてみると、ほとんどのユーザはメディアに対して特別な感情、つまりファン意識のような物を持っている人は少ない。メディアに対して別にロイヤリティを持っているわけではない。いちいち各メディアのコンテンツに見に行くのも面倒くさいし、コンテンツを複数ページに分割するようなPV稼ぎは利便性が下がるだけで、あれを不愉快に思わない人間は居ない。ニュースを集めてくれたり、分割されたページを1ページにまとめてくれるようなサイト・アプリがあれば、そりゃ使うだろうな、と思う。

SmartNews がリリースされてからこれまでは絶賛の声しか無かったため「何だか気に入らない」という感情論もあるとは思う。ただ結局の所、ユーザにとっての不便を軽減してくれるツールなのにも関わらず、「SmartNews 自体がメディア」のような顔をしているのが問題なのではないか。

コンテンツが自分自身の物でない限り、メディアという見せ方は好ましくないと思う。ツールならツールらしく、「ツール」に徹するべきだろう。一連の議論を見る限り、ゴクロ社は技術や法律(著作権)という観点で問題がないと主張しているが、反対している人たちは感情論で話しているため、議論がかみ合っていないように思える。

感情がその根底にあるのだから、法的に正しいことをやっているといくら主張しても収束はしない。その感情を納得させるような対応が必要になる。