トータルで損が減るなら、必要悪もしょうがないと思う

「努力をしない人間は死んでもしょうがない」

そう思っていた時期が自分にもあった。確かに努力もしない人間に対して手厚いサポートや、いい待遇を与える必要はない。しかし努力しない人間を淘汰した結果、組織や人間にとって逆に害を及ぼしてしまうこともあるということを意識した上で、淘汰する方法を考える必要がある。

主にインターネットの普及によって、今まではプロしか居なかったメディアに対して、アマチュアやセミプロがどんどん侵食してきている。いい加減なエセプロのような人間は追い出されてきている一方、真のプロと言える人にとっては、アマチュアやセミプロとその品質を比較されることにより、その価値がよりハッキリ見えるようになっている。

エセプロの駆逐は一見いいことのように見える。しかし駆逐=この世から居なくなってくれるわけではない。そうしたエセプロは、ちゃんとしたスキルがないことから目の肥えた人たちを相手にすることが出来ず、初心者に対していい加減な知識でモノを言う有害な人間になってしまう。エセプロを駆逐することにより、全体にとって有害な結果になってしまう。

今日の日経の記事に、公的資金で製造業支援 資産買い取り1兆円超という記事があった。いつもの日経の飛ばしの可能性もあるけど、この記事を信用して読んでみると、要するに「リース会社と政府が共同会社を設立し、電機メーカーの既存設備(要するに過剰資産)を買い取る。これにより手元資金を増やすことで、新たな設備投資をできるようにする」のが目的らしい。

「この状況で、設備投資のための資金を調達できるのか?」「資金調達できなければ、手元資金の範囲内でしか投資できないんじゃ?」
と感じる所もあるけど、今の状況だと必要悪ではないだろうか。

今までいったい何に投資してきてるんだと思わなくもないけど、今の状況で各電機メーカーの投資が縮小していくと、リストラがさらに加速化していくのは避けられない。さすがにそうなると日本が持たなくなると思う。

確かに一時しのぎに過ぎないという意見もあるけど、今の状況はその一時をしのがないと、本当にまずい状況にある。リストラされて無職になられると失業保険や生活保護の出費が増えてしまい、トータルで見るとコスト高になるのではないか。リストラ候補生達の雇用が継続している限り、最終的には所得税やその他の税金として(一部は)返ってくることが期待出来る。

この「公的資金で製造業支援」というニュースに対して厳しい立場の人は、自分に能力がある人が多い。特に腕一本で生きているほど、そう感じるようだ。確かに自己責任ではあるけど、出来ない人間であっても最低限食わせてやる必要がある。自己責任、淘汰された人間のことなんか知らない、という意見もある。しかしあまり追い込んでしまうと、短絡的に無差別殺人テロのようなことを起こされる可能性だって、捨て切れない。トータルで損じゃなければ、必要悪だと思って我慢するのも仕方がないと思う。