「給与は利益の山分け」と言われた当時、どうすべきだったんだろう?

もう10年以上も昔の話。当時仲良くしていた人が起業するということで、その初期メンバーとして参画しないかと誘われたことがある。

その時に働いていた会社は、そんなに大きくはなかったけど、特に大きな不満があったわけじゃなかった。いや院卒の後輩と比べて、評価は高いのに給与が安いことに納得がいかず文句を言いまくっていたんだった。とにかく「成長したい」という欲求が強かった時期で、カンファレンスやセミナーでの講演、雑誌や書籍の執筆など手当たり次第に手を出していた。

その人とはどこかのイベントで出会って意気投合して以来、何かとコミュニケーションしていた。まだ自分自身も若く、早いうちならベンチャー企業に入って(失敗して)もリカバリー出来るだろうという思惑も有り、ほとんど悩むこともなく参画することを決めた。

給与に関しては「うちの会社は、みんなで稼いでその利益を山分けするモデルです」というポリシーで、自分も含め全員その説明だけで納得して入社していたけれど、細かい条件などはまったく話していなかった。今思い返しても「若かったなー」と思えてならない。

実際に受け取った給与は、当時の業界平均よりちょっと少ない程度。正確な利益は把握していなかったけど、クライアントから貰っているはずの金額の総額と比較すると、明らかに少なかった。貰っている給与の三倍位のお金を稼いで会社の収支はトントンになる、と言われるけど、およそ10倍ぐらいの利益を上げ続けたと言うと、その不自然さがわかるかもしれない。

だいぶ後でわかったことだけど、その人だけが圧倒的に多い金額を受け取っていたことが発覚した。運転資金の個人保証まではしてなかったけど、経営者としてリスクを負ってる分、多くなるのは理解できる。ただそれを加味したとしても、それ以上の差があった。

発覚した後は会社中に不信感が段々と広がっていき、一人抜け、二人抜け。最終的に、自分も喧嘩別れをすることになった。色々調子のいいことを言われていたけど、言うのは無料だよなーと気づいてしまった。一度その発言のウソに気づいてしまうと、すべてが信用できなくなってしまった。

どうすべきだったんだろう?

自分も子供だったので、まさかそういう事で騙したり誤魔化したりする人がいるとは思っていなかった。素直に受け取りすぎた。

どうすべきだったんだろう?

財務を押さえる時の基本は、その入りと出を押さえること。つまり、月次位のペースでBSやPLを共有してもらうべきだったんだろうな。また「利益を山分け」はいいんだけど、その時のルールを明確にするべきだった。

ただ今思うと、「納得」が欲しかったんだと思う。「給与の絶対額」や「その人が貰っていた金額との差額」は全然問題じゃなかった。隠してコソコソやるのではなく、明確なルールの元、フェアであって欲しかった。今さらそれに気づいても手遅れなんだけど、「ルール」を納得行くまで確認しておくべきだった。「ルールの把握と納得が無いと、そのルールの元でプレーするのは難しい」ということに気づけたのが収穫なのかもしれない。