Yahoo!クラウドソーシングの恐ろしい可能性

クラウドソーシングサイトは、大きく二種類に分けることが出来る。

古くは 楽天ビジネス、最近だと クラウドワークスランサーズ といった、ある一定以上のボリュームを持った「仕事」をやりとりするというプラットフォームと、クラウドワークスとの業務提携で生まれた Yahoo!クラウドソーシング のように、「タスク」をやりとりするプラットフォーム。働き方の多様性を増やすという意味では前者も面白いサービスだけど、個人的には後者にこそ将来性を感じている。

Yahoo!クラウドソーシング のタスクを実際に見てみるとわかるけど、「タスク」には非常に単純な物が多い。例えば「スターウォーズエピソード4 日本版 [DVD] 」という文字列から映画のタイトル部分を切り出して「スターウォーズエピソード4」にするとか、表示された言葉が人名やニックネームかどうかを Y/N で答えるとか。

一昔前のWebサイトの黎明期の時代は、例えば画像認識であったり、日本語全文検索、レコメンドエンジンなど、「独自のアルゴリズム」とそれを実装したライブラリを持っている企業が競争優位性を持っていた。しかし現在では、その多くの物はフリーで公開されていたり、APIで無料で呼び出せるサービスとして提供されるようになっている。そのため企業あるいはエンジニアの価値の出しどころは、色々なライブラリなどを知っていて、「これを実現するにはどうすればいいか」という一種キュレーション的というか、いかにうまく組み合わせられるかという編集的スキルに移ってきている。

これの究極の形が「タスク」型のクラウドソーシングだと考えている。例えば写真をアップするとタグを付けてくれるというサービスを作る場合。これを技術で実現しようとすると、画像認識からはじまり、膨大なマッチング用のデータと比較して、「それが何か」ということを特定する必要がある。これを実現するためには技術的にもデータ量的にも非常に敷居が高い。しかしこれをクラウドソーシングと繋ぐことで、簡単に実現できるようになってしまう。

料理の写真をアップすると料理の名前を返すという機能でもいいし、ちょっと敷居が高くなってしまうけど、料理の写真からレシピを返すということも、理屈としては可能になる。

もちろん画像に限らず、人間が手軽に出来るものであれば何でも構わない。人間の処理速度よりもスピードが必要な場合は難しいけど、量の問題であれば大量の作業者によりカバーできる。

グローバル市場での先行者事例は 2005 年からある Amazon Mechanical Turk で、Yahoo!クラウドソーシング はこれのパクリ。Amazon Mechanical Turk の導入事例として、写真にタグ付けをする有料サービスが確かあったんじゃないか。ユーザからは30円をもらい、それを10円の報酬で依頼。ただそれだけで差額20円を得ることが出来る。

Yahoo!クラウドソーシング にはまだAPIが無いけど、遅かれ早かれ用意されるだろうと思う。そうなったら、日本のWebサイトのアーキテクチャが大きく変わる可能性を秘めている。今後の展開が楽しみだ。