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生活保護の医療費免除は、もう無くなるだろう

SankeiBiz で、政府、生活保護費抑制へ後発薬に誘導 「先発薬使うなら差額自己負担」 という記事を読んだ。生活保護費の削減とジェネリック普及のために、生活保護の受給者が先発薬を選択した場合、先発薬とジェネリックの差額は自己負担を求めるという方向で検討に入ったらしい。

そもそも生活保護の受給者は、医療費負担が免除されている。そのため過剰なほどやたら通院している(と言われている)。この記事によると生活保護者のジェネリック使用率は、一般の人が23%なのに対して20.9%しかない。また医療補助費は生活保護費全体の内、その約半分を占める1.6兆円かかっているらしい。自民党は衆院選公約で「生活保護費の8000億円削減」を打ち出しているため、医療費の削減は急務と言える。

後発薬すなわちジェネリック薬は、先発薬とまったく同じ成分で作られている。ただし成分が一緒なだけで、薬のカプセルなどの形状や溶け方などは必ずしも同一とは言えないらしい。つまり、薬の効き方が異なる可能性があるため、先行薬とまったく同じものというわけじゃない。言うなれば、一流店のメニューを別のシェフ(ただし一流の)が、同じ材料で作った料理のようなもの。作り方が違うのに同じ味、栄養ということは可能だろうか。料理の世界なら出来るか。

また普及率が20%強しかないということは、薬局にジェネリック薬の在庫がない可能性がある。国はジェネリック薬の使用を強く推進してはいるけど、薬局の現場ではジェネリックを仕入れてもなかなか在庫が無くならないそうだ。在庫リスクが高まるため、薬局としてもいつ出せるかわからない薬の在庫を持つことはなかなか難しい。

生活保護者がジェネリック薬を使うことを実質強制することにより、薬を求めて薬局を転々とさせられたり、あるいは最悪の場合は薬が手に入らないということも起こり得る。またジェネリック薬にしたとしても、実際には価格に差異があるのは薬剤料だけで、調剤報酬とかの金額は変わらない。生活保護者にジェネリックを強制することで医療費が下がるのは間違いない。でも大幅に削減出来る訳じゃない。

医療費の少なくとも全額免除は、今後なくなっていくと思う。あるいは診療報酬の引き下げにより、そもそも医療機関に支払われる金額を減らしてしまうか。どちらにせよ国の支出の削減は実現できる。国の立場でできることはこれぐらいだろう。

国からの「生活保護者は早く死んで国費負担を減らしてくれ」というメッセージとも思えてしまう。ただ、じゃあどうすればいいのか。残念ながら有効な手だては思いつかない。